今日は、オイゲン・キケロというクラシックをジャズ風に演奏するピアニストのお話です。
彼は、1940年にルーマニアのクルジュ・ナポカで生まれました。彼の母親がクラシックのピアニストであったために、4歳のときからピアノを習いました。
彼の腕は、メキメキ上達し、6歳のときにはモーツァルト・ピアノ・コンチェルトをオーケストラと共に演奏しました。10歳のときにはリサイタルを開くほど才能を発揮していきました。
ブタペストにあるナショナル・コンサバトリーを卒業しましたが、クラシック・ピアニストとして生きる道は捨ててしまいました。
彼には兄がいてジャズに熱中していました。弟であるオイゲン氏は、次第に兄の影響をうけてジャズに興味を持ち始めました。
彼が18歳になった時、兄と一緒にジャズグループを組みました。その後、ルーマニアからオーストリアに行き、活動を続けていました。その時に、ヨーロッパのジャズ界で有名なMPSレコードの社長に認められ、1965年に初めてレコーディングをしレコード発売となりました。
これが、デビューアルバム「Rokoko Jazz」です。
軽快なリズムがとっても良いです!
こちらは、オイゲンキケロ 「キケロのショパン」(1966)
沢山のミュージシャンが、クラシック音楽をジャズ風に演奏を試みていますが現在においても、オイゲン・キケロほどクラシックとジャズを上手に融合した人はいない!と言われています。彼ほど、クラシックをジャズ流にアレンジするセンスの良い人は他にいないのです。
彼の手は、「ゴールデン・ハンズ」と名付けられていました。
1962年、彼は東ドイツでツアーをしていました。その時に、西ドイツに逃亡しました。
その後、2年間はスイスに住んでいました。スイス時代は、ジョー・シュミッド・オーケストラに参加していました。
その後、また彼はドイツに戻りました。ドイツに戻ってからは、ベルリン・フィルやミュンヘン・フィルハーモニック楽団と共同で、70枚以上のレコードをプロデュースしました。
ドイツでは、沢山のテレビショーに出演しました。特に日本ではかなりのファンがつき、ツアーは大成功を収めました。1976年には、ドイツ・レコード大賞を受賞しました。
1997年、満57歳で亡くなりました。彼の死因は、脳卒中でした。
弟の、エイドリアン・キエロは、ジャズ・インストゥルメンタリストです。
息子の、ロジャー・キエロは、有名なジャズ・シンガーでしたが、2016年に亡くなっています。