フィジカルトレーナーの杉本龍勇さんが、3月17日放送の情熱大陸で「俊足の走り方」を解説。
たった1時間の指導で誰もが早く走れるようになる!!
プロも駆け込む“走りの伝道師”の秘技を今回披露してくれました。
☆ 1970年静岡県生まれ。46歳。
☆ 陸上短距離走の選手として、高校インターハイで100mと200mの二冠を達成しました。
☆ 1992年にはバルセロナオリンピックに出場。4×100mリレーでアンカーを務め6位入賞。
☆ 選手引退後は浜松大学陸上部監督に就任。
☆ フィジカルトレーナーとして清水エスパルス、湘南ベルマーレ、大分トリニータなどでも指導を行ってきました。
☆ 2010年からは法政大学経済学部の教授としてスポーツ経済学の研究も行なっています。
☆ 2女の父親で、国内外問わず電車に乗るのが大好きな自称「乗り鉄」
杉本龍勇さんが主催する「走り方講座」が、とても人気を集めています。
「1時間あれば、誰の足でも速くできます」
と、彼は語ります。
彼が走り方指導をすると、子供から大人まで颯爽と走れるようになるので、口コミがどんどん拡がって現在では、日本全国から依頼が入り大忙しなんだとか!
こんな具合に口コミが拡がっているので、プロスポーツ選手からも多々依頼が入ってきます。陸上競技以外では、サッカー、ラグビーにスキー選手まで。
早く走りたい!身体を上手に使いたい!怪我しない走り方を知りたい!アスリートからは、様々な注文が入ります。
選手の中で、10年の付き合いがあり、指導にあたっているのがサッカー日本代表の岡崎慎司さんです。
清水エスパルスに入団当初は足が遅くて凡庸な選手と言われていましたが、杉本さんの指導で劇的に変化しました。
番組では、ドイツFCザンクト・パウリ所属の宮市亮選手と、イギリス サウサンプトンFC所属の吉田麻也選手に走り方指導する場面があります。
二人にダッシュをしてもらいます。その距離はわずか15メートル。タブレットで二人がダッシュする画像を録画します。杉本さんは一目で身体のキレの良し悪しや、走り方の問題点を見抜いてしまいます。
こちらの動画は、おはスタの動画です。(1分40秒)
杉本龍勇のスプリント基礎トレーニング(3分30秒)
① 股関節の開き具合
大きく開くことで、歩幅が広くなり、前に進むエネルギーが大きくなります。
② 腕の振り
腕を前後に振り、できるだけ高い位置で勢いよく後ろ手を合わせる。
肩の関節を柔らかくすることで、より大きく腕を振れるようになります。
続いて上下にも腕を振ります。
身体全体でエネルギーを生み出せるようになれば、走るスピードも上がります。
③ 中殿筋のリフトアップ
お尻の両側についている中殿筋を、杉本さんは最も大切にしているポイントです。
まず、膝を曲げずに片足立ちをし、反対側の足を中殿筋を使って持ち上げます。これが出来る日本人選手は、プロでもそうはいません。
生活習慣の違いから、日本人は欧米人から比べると中殿筋があまり発達していないと言われています。だから、この筋肉をトレーニングするのは至難の業なのです。
中殿筋を強化すると、軸足の曲がりが減り、その分エネルギーが直接地面に伝わります。すると、地面からの反動で足が高く上がりスピードが生まれる。という仕組みなのです。
以上、①股関節の開き、②腕の振り、③中殿筋 の3つのポイントを意識することで、走りのキレが戻ってきます。
吉田麻也選手は、足が遅くて以前はランキングに入ることがありませんでしたが、杉本さんの指導を受けてから、世界最速選手の仲間入りするようになりました。
昨年、プレミアムリーグで「試合中の最高時速ランキング」にて、第8位に入りました!
ところで、だれでも足が速くなる?という実験をしてみました。
小学生の子供たち8人に協力してもらい、番組ではテストをしました。
指導時間はたったの40分です。
プロ選手と同様に、①股関節の開き、②腕の振り、③中殿筋 を意識させることで、子供たちのフォームは変わりました。
40メートル走のタイム計測で、8人中7人が、より早いタイムを出しました。
岡崎選手ですが、世界最高峰の英プレミアリーグで戦っているものの、今季はチームが低迷し出場機会には恵まれていません。
今年1月、杉本さんのところに岡崎選手からSOSが届きました。
2月の終わり、苦悩する彼に対して、再び指導をするためにイギリス・レスターに飛びました。
この時、岡崎選手の所属するチーム・レスターはリーグ5連敗中でした。岡崎さんは先発から外されていました。
たまに出番が訪れても体が動かない。昨シーズンのヒーローは、今年は永久戦犯扱いです。
杉本さんと岡崎選手は、とりあえず、最寄りのカフェに誘います。そして、岡崎選手から話をゆっくり聞きます。杉本さんにしか言えない本音を語っていきます・・
カフェを後にトレーニングに入ります。
果たしたメニューは、これまでのものと変わりはありません。基本を総ざらいし、崩れた体のバランスを取り戻さなくてはなりません。
右足がものすごくガニ股になってました。
痛めた左足首をかばうため、右足の軸もズレていました。
そして、崩れたバランスを修正していきます・・
チームは、足の速い選手がたくさんいて、岡崎選手は焦りを感じています。自分はあとどれくらい活躍できるのだろう・・ とても気弱になっている彼に対し、
杉本トレーナーは、メンタル面にも言及します。
もう無理かな・・っていう岡崎選手に対し、
元々、無理かな!というところからスタートしてるんだから!
と励ましていきます。
ジャンプテストでも、自分が一番低いし・・という弱弱しい彼に対しても
他人と比較してなんぼじゃねぇし!って叱咤します。
心と体をケアするのがトレーナーの仕事です。
この日の応急手当は終わり、
岡崎選手の顔は心なしか明るくなっていました。
2月27日、対リヴァプール戦があり、久々に岡崎選手は先発に選ばれました。
そして、この日は3-1のスコアで勝利しました。
岡崎選手は、常に走り回り相手にプレッシャーをかけ続けました。試合後、相手チームの監督は、岡崎にやられた!と話していました。
試合後、岡崎選手は、ファンからサイン攻めにあっていました。
その光景を後ろ目に、杉本さんはそっと会場を後にしました。
後日、ガンバ大阪の堂安律選手が指導を受けに杉本さんの元にやってきました。堂安選手はUnder20の代表選手です。走るフォームを見れば、杉本さんはすぐに問題点が分かってしまいます。
堂安選手に対し、グラウンドを2週してきて!と指示。
走り終わった堂安選手に対し、走り方はひどい!と指摘。
そして、トレーニングを開始します。
彼とは長い付き合いになりそう・・と彼を可愛がります。
18歳の選手に対し、僕は46歳!
まだまだ君には負けないよ!と言わんばかりの心意気で
彼に懇切丁寧にトレーニングを施していきました。
杉本トレーナーは、とても分かりやすく早く走るコツを説明してくれました。
早く走るコツは、
① 股関節の開き
② 腕の振り
③ 中殿筋
この3つのポイントですね。
このポイントを意識して、少しでも早く走れるようになるといいですね!