貴乃花親方の長男である花田勇一さんは、靴職人という職業を選びました。靴職人になるため、イタリア・フィレンツエで修行されました。
番組では、かつて修行した地であるフィレンツエを訪れ、お世話になった師匠に再会します。
イタリアの靴は世界最高峰です。
なので、靴の修行のためにイタリアに行くことは、それは凄いことです。
イタリア語もままならず、職人魂の高く厳しい場所での修行は、それは大変だったと思います。
修行とは失敗から学ぶこと
彼はフィレンツェで修行をすること2年。日本に戻ることを決意し、靴職人として独り立ちすることを決意します。
ある程度のことを学んだら、師匠の元にいるべきではないと思ったので、荒削りでもいいから日本に帰って一人でやる。それが師匠の元での修行の一つの種類だなと思ってました。
修行は質だと思ってたので、なるべく早く日本に帰りたかったです。
花田さんは、都内某所にて工房を構えています。
完全受注生産という形で作業を行っています。基本的には一人で靴づくりをしています。
靴づくりをしようと思ったきっかけになる人物がフィレンツェにいます。彼は7歳のときにその巨匠と出逢っています。
巨匠の名前は、アントニオ・リヴェラーノ氏。
イタリアを代表する最高の仕立て職人です。7歳から職人の道を歩み始めます。イタリアスーツの仕立てでは世界一と言われています。
花田氏は、アントニオ氏と出逢って初めて職人の凄さを目の当たりにしました。
番組では、同じ職人として花田氏がアントニオ氏に会いに行きます。
彼の言葉は、「職人よ芸術家であれ」
花田氏に向かって、
いいかい、お客さんが気に入ったからと言って、
「はい、その通りにします」はダメだよ。
二人が良いと思うこと、お客様が着て、私が創る。お客様が好きなモノを選ぶ世界ではない。
似合うモノを私が作る世界なんだよ!
何が似合うか、決めるのは職人。
作りたいものを作り、気に入ってくれればよし。
そこが、芸術品たる所以。
花田氏がアントニオ氏に質問します。
「あなたの情熱は若い頃より大きいものですか?」
アントニオ氏は答えます。
「どんどん情熱は大きくなっているよ! 情熱が僕を前に勧めるんだ。」
70年膨らみ続けた情熱に触れました。
番組では、靴づくりの恩師に会いに行きます。
靴づくりの師匠は、アンジェロ・インペラトリーチェ氏。(79歳)
11歳から職人となり、フリーで依頼を受けて靴を作る「渡り職人」です。
数々の有名ブランドでも活躍し、靴業界では名の知れたマエストロ。
息子のように可愛がってくれた家族経営のトラットリアで久々の食事をしながら・・
花田さんは、緊張する中、魂を込めて作った靴を師匠に見せます。
今できる最高の靴を師匠に・・
師匠は、
心配しないで・・ よく見ないとね・・ と優しい言葉をかけます。
この点の部分は私ならもう少し小さく作るかな・・ かかとはよく打ってあるね。このモデルでこの上の部分を作るときは、この部分を見せたくないから、ここを折り曲げる。その上にこれを貼って覆えばいいんだよ。
とアドバイスをしていきます。
師匠も弟子もうれしそうに会話を重ねていきます。
僕の感覚的には工房にいるときも、
「ダメだよこれは」と言われて、僕は鍛錬してきたつもりなので、その2年が埋まったような気分でした。
自らの城を構え2年。
変わらず抱き続けてきた思いがあります。
「師匠の弟子として恥ずかしくない靴を作りたいという一心でやってます。」
そして、師匠にいいます。
「私は今でもアンジェロの弟子です。ずっとアンジェロの弟子です。」
アンジェロ氏は、
「私はすべてを差し出すつもりで教えてるんだよ。知っているすべてをね。でも、教わる人を見つける必要もあるんだ。つまり私にはキミのようなちゃんと教わる人が必要なんだ。中には返事だけで興味を持っていない奴もいる。教わるには謙虚でなければならないんだ。僕たちのようにね。君は・・全く・・立派だったよ。」
師匠と出逢い4年。
それは、初めての誉め言葉でした。
花田氏は、
「師匠のような職人になりたい。」
「手作りと機械で作るモノの違いって、物理的に話せばあるとは思うんですけど、それよりももっと根本的に何かに一途に打ち込むことがあれば、会社の営業の方だってそれは職人なんです。」
命を懸け
苦悩し、打ち込む
それが職人
☆ イタリア共和国中部にある都市で、その周辺地域を含む人口約36万人の基礎自治体(コムーネ)。
☆ トスカーナ州の州都、フィレンツェ県の県都です。
☆ 中世には毛織物業と金融業で栄え、フィレンツェ共和国としてトスカーナの大部分を支配しました。
☆ メディチ家による統治の下、15世紀のフィレンツェはルネサンスの文化的な中心地となりました。
☆ 市街中心部は「フィレンツェ歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されていて、1986年には欧州文化首都に選ばれました。
☆ レオナルド・ダ・ビンチ
☆ ミケランジェロ
☆ サルヴァトーレ・フェラガモ : イタリア南部の生まれですが、1927年にフィレンツェで開業
☆ ロベルト・カバリ : ファッションデザイナー
出典:http://osteriatoscanari.com/
トスカーナ料理は絶品です!!
フィレンツェはとても美しい街です。
伝統を大切にし、古い建物を壊すことなく、景観を損ねることなく、温存しています。
ルネサンスが起きた街でもあります。人々の美に関する意識が高いです。感性が豊かでかつ新しいものを生み出していく。
このような街で、花田勇一さんは厳しくも暖かい師匠と出会い、靴を作る技術習得に励んで来られたんですね。
楽しく番組を視聴いたしました。ありがとうございます!